文化施設と商業施設

February 18th, 2012

今日も自転車で代官山ツタヤ(Tsite)の前を通った。
あの場所にああいう空間ができたのは、やっぱり大したことだ。
資本合理性的なルールに従えば、論理的には高級マンションになる(なってしまう)。
それが一番、あの土地を高く買えるパターン、セオリーだから。
でも、全てが合理的なセオリー通りにいかないというところにおもしろさがあるわけで。

初めてヒルサイドができた頃は、マンションにせよオフィスにせよ
今より総じて遊び心や文化的挑戦(はたまたエゴの表現)がいっぱいあった。
でも、資本の論理がより強化された今でもこういうチャレンジは起こる。
ここではしかも、大きな会社がそれを仕掛けている。
一つ一つの物件ごとに収支を積み上げて行くディベロッパーには、これはそうそうできないだろう。
もっと大きな事業全体の文脈や価値の構造があって、その可能性に思いを重ねていかないと、できない。
しょせん、今のディベロッパーがやれることなんて知れてるなあと思う。

ともかくこの T-siteというのは一人の熱い経営者の思いがあるからできたわけであって、
ここでの事業が成功するしないはまだもちろんわからないんだけれど、
僕にとっていろんなことを考えるきっかけが満載ということもあって、
増田さんのここへの思いやテンションにはとても興味を持っていた。
で、嬉しいことに今週、増田さんと初めてお話する機会を得た。
大きな経営者の頭の中をいろいろ覗き見ることができて、本当に刺激的だった。

ここを自転車で通りかかると、ガラス越しに万年筆の売り場が見える。
何千本あるのかわからないけれど、とにかくすごい数の万年筆がディスプレイされていて、
なかなか圧巻な空間になっている。
これはある意味、文化施設のようにも見える。
もちろんこれも商売の空間であるし、美術館でも博物館でもないのだけど。

それを見ていて思ったのは、そもそも文化施設というやつは今の時代、
商業施設ともっと一体化してしまった方がおもしろいのではないかということ。
美術館のミュージアムショップも楽しいんだけど、
ショッピングと文化体験がもっとグチャグチャに重なった場所はきっとおもしろいだろうし、
そもそもそこに線を引く必要があるともあまり思わない。
自治体がやるか企業がやるかという区分けも本質的な話ではなく、共同事業でやればいいだけのことだ。
そういう施設のコンセプトを出す作戦会議をやったら楽しいかもしれない。





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