続くもの

August 14th, 2014

オフィスの近くにある喫茶店アンセーニュダングルは1975年にできた。
朝によく行く珈琲屋ROWの前身である珈琲野郎は1973年にできた。
40年続いている。

多分、すごく儲かっていたら、そんなに続いていないのではないかと思ったりする。
儲かっていたら、オーナーは別のことをやりはじめ、
そのうち小さな店を続けるための必要条件である「思い」というやつがなくなるからだ。
「儲かる」と「続く」は、相関するけど、しないこともある。

僕はこの二つの店に続いて欲しいという思いがどこかにあるからか、
やけに頻繁に行く。お金もそこそこ使っているんじゃないか。
アンセーニュに週二回、「野郎」に週二回とすれば、
二つ合わせて月に1万円くらい使っていることになる。
これで自分はどの程度貢献しているのだろうか?

単価はケーキ含めて考えると1000円、客数はせいぜい一日50人くらいで、25日で月125万の売り上げ。そこから原価とかバイトとか色々考えて行くと結構ギリだから、まあいい線だろう。
で、自分の貢献は月5000円。200分の1以下。しょぼい。
でも、続いてほしいんだYO!という気持ちを表現をしながら店から出る技を
いつも繰り出しているので、それ以上の貢献はあるのかもしれない。

ところでtwilloという屋台バーがある。
場所が毎日違って、夜になるとその晩の場所がつぶやかれる。
マスターである神条さんに
「これ、当分続けるんですか?次にやりたいこととかあるんですか?」
と聞くと葉巻を燻らせながら、
「先は考えていないですが、当分続けるかなと思ってます。
 やりたいことが表現できているので。」
という。彼は別に、続くことが目的ではない。

「やりたいことを表現できているから、今これをやっている」
というのはシンプルだなと思った。納得感がある日常はいいものだ。

その納得感を優先して生きるか。
あるいは、老後の安心のために多少我慢して生きるか。
はたまた、ほどほどバランスをとるか。
多分自分は、納得感優先だと思いつつ、とはいえほどほどバランスをとっている気もする。

思えば、このあたりのスタンスが自分と同じであるような仲間が周りには多い。
そこが共有できているから仲がいいという人間関係は自然だと思える。
一方で、そこは違うけど、同じ音楽が好きだから仲がいいというような関係もいい。
ただし、事業をやっていくときには、パートナーとそのあたりが握れてないと続かない気がする。
夫婦の場合ってのはまたちがうのか・・

余談だけど「野郎」が万が一閉店したら、おれが継ぐとか言い出す気がする。
今の内装はさして好きなわけでもないので、結構いじらなきゃ、とか思ったりして。
たまに他に継ぎそうな人がいないか見回すのだが、今のところ見つけていない。やばいなぁ。





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