wiredイベント

April 6th, 2016

昨日は、ライゾマ斎藤精一氏、noiz豊田啓介氏、wired若林恵氏と一緒に「これから建築は何を設計するのか?」というwired主催のトークイベントで話しました。やってる方がとても楽しかったのですが、長過ぎ!結論どうなんだ!という意見もあったようですみません。まあ若林恵という人は基本的に定義したり整理したりするのをあえてしないタイプの編集者なので、それに甘えて放談してしまいました。もちろん僕が建築の領域論とか語るのもアレだし、あと2人もデジタル系(?)で、そもそも全体観を持ったフレームを議論とか無理あるんですが・・

で、改めて確認したことは、
技術は美学の基準が変わるきっかけになるわけだけど、いまキてる技術はグニャグニャ建築もムーバブルも増殖もリユースも、かつてより俄然コスト下がるし、そうすると今までの美学美意識も超えていくかもねという話とか。
デザインの対象はハードからオペレーションや、メディアや流通、不動産、法律・ルール、経営戦略、教育・・・と周辺に広がらざるを得なくて、それらを境界的にシームレスに捉えてやる方が結果的に強度を持つこと多いっていうこと。その中でどういうアングルをとるかは100人100様だよねっていうこと。新しい技術や情報環境に疎いと建築の持てる力がもったいないことになるよねっていうこと。
場所空間、街、都市、世の中を少しでも自分の思う姿に近づけようとする戦略的処置みたいなものをデザインとあえて呼ぶならば、僕としては「建築家」は狭く定義していてもかまわないし、造形芸術のすごい人も◎だけど(むしろそれはデザインでなくアートって話もあるけど・・建築だとデザイン抜きのアートはないよね)、建築の職能や視点のあり方・タイプは増えるし無限にあるよねっていうこと。そしてそれが多様になったり広げる人が増えないと、建築の力も弱くなるんじゃないかっていうこととか。
けっこう話が長くなったのが社会的R&Dの話。いまいますぐにはベネフィットが見えない新しい技術や発想の研究開発から革新的な価値を生まれるっていう考えや動きが弱い日本はよろしくなくて、それは体制批判してもいまいちで、そこを見てる&やってる人が巧みに(騙すんじゃなくて)提案を仕掛けていこうっていう話で。メディアラボにしても企業が優位性を築くためにも協賛してるわけで、その価値をちゃんと提示できないとな、と。
僕としては、そういうR&Dと具体オペをしていくチームや仕掛けをやりたいという気持ちが強まったところがあります。
ここまでの話は聞いてた人の多くにとって当たり前な前提レベルだったのかもしれないので、そうだったら恐縮ですが、自分たちも含めてランダムな情報からそれぞれなりになにかボタンが押されるようなことがあったならいいな、というところです。
いずれにせよ、特に20代の人なんかは、今すでにある型を探して選ぶんでなくて、色々クロスオーバーして、例えば何かそれまでと距離のある領域ひとつを決めてしばらく突っ込んだりしていく中で、自分なりの発想や方法ができてくるようにやるのがいいんでないかと思う次第です。





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