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都市デザインの手順

January 24th, 2017

昨日はかねてから本など読んで共感してきた都市計画の大御所である蓑原敬さんと色々話をさせてもらった。

ミクロな点を打っていくことは、いまの都市デザインにおいて戦術として有効性を増していること、同時にそのベースとして都市レベルの戦略ストーリーが必要であるという話を強調されていた。つまり、どういう都市・街をつくっていくのかというイメージ仮説を持っておくということ。そのとき、風景や物理的な構造としてのデザインという意味では、それは言語化したり現実性を持った絵にすることは今となってはとても難しいと感じているようだった。

それを聞いていた思ったのは、その戦略・ストーリーというのは実はハード環境に軸足を置いた話として構想しようとしても難しいのだということ。むしろ、生活像や日常のシーン、人間関係、仕事のあり方、遊び方、といったものこそが人々にとっての街の風景やイメージであって、それらを先に描くという手順であるべきだということ。

それはある意味で都市のコンテンツのあり方、又はあえて言えばSNS上に描かれる世界にも近い。それがどういう多様性を持っていくのか、あるいはその前提となる価値観はどういうものかを先に描く。空間の多様性を先に描こうとせず、人の生活像や生き方・価値観の多様性を先に描き、それをマスタープランであると捉えるのが今の日本の都市の計画手順ではないか。そしてその上で、それをサポートするハードを考える。ハードの姿は統合的なデザインを描こうとせず、有機的に変わり続ける中での暫定的な、そして同時に本質に近づく答えを、ある程度アドホックにつくっていけばいいのだろう。(その都市に生きる人々のストーリーのポートフォリオを描くという意味では、ポールオースターのナショナル・ストーリー・プロジェクトに似ているな、と思った。)

一方で交通インフラの設計などの話はどうなのか。これも実は同じことで、都市経営の視点からの分析をふまえながら、その街での生活像やその多様性のありようを描き、それを構造的戦略的に整理したソフトのマスタープランとして持ちながら、それをふまえてインフラも、現実的で魅力あるシナリオとしてデザインしていくべきなんだろう。

抽象的なアプローチ論のレベルではあるけれど、そこまでは自分の中で合点がいった。
そして僕は蓑原さんに、「自分は都市計画的な専門知識や知見に欠けていて、その領域では亜流なんだけれど、不動産や建築に関わる(投資と実需の)マーケットの力学に触れてきたことで得られた視点は多少なりとも意味を持つんじゃないかとは思っています」と言ったとき、蓑原さんは、「いや、むしろそれが本流だと言うべきなんだ。国家が主導した時代のかつての都市計画の知見は現在においてはむしろ亜流なんだ、くらいに堂々と言っていい」と言ってくれたことで、自分のこれからの役割へのイメージが少し進んだ気がした。民間、市民の立場で小さな点を打ったりそれをつなげたりするアクションは引き続きやりつつ、上に書いたようなソフトサイドのマスタープランをいろんな人とともに描きつつ、そして同時に人々の価値あるフィールドプレーを加速させるために、ルールを創造的にリデザインするためのアクションを同時にやっていく。蓑原さんと会う前、西村浩アニキとその3つめに関するアクションについて話したのだが、そこもちょっと見えてきたので、今年は少しずつ進めていくことにした。



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