月別アーカイブ: 2014年4月

showrooming

April 15th, 2014

ZOZOがWEARのバーコード読み取り機能(店でスマホ使ってECに飛んでしまうやつ)を一旦あきらめたというのがニュースになっていたけど、まあこういうことも一進一退するものですね。amazonのflowってのもどうなるのか。一方ではスマポっていうアプリみたいに、逆にオンラインからリアル店舗に呼び寄せる仕掛けも出てきたり。

とはいえショールーミングというやつが進んでいくというのはとても自然な話で、今でも僕は本屋でamazonの中古チェックして買うのは時々やってます。本屋には悪いけど、その方が紙(木)の使用量減るし、みたいな。

不動産目線で言うと、リアル店舗での買い物が減っていくと店舗の払える賃料が減って商業不動産の価値は落ちるという理屈があるわけですが、僕はビルを持ってる人じゃないので直接的には利害がないから「いいんじゃね?」と思っています、ぶっちゃけ。まあ厳密に言うと日本の不動産価値が下がれば自分にも色々マイナスは回ってくるんだけど、さらに巡り巡るとそうでもないと思うし(理屈省略)。

でもそもそもファッション店舗の賃料負担力が他の業態に比べてとても高いことへの違和感はずっとあります。でかい物販店舗があれだけ高い賃料払えるものだから、路面から飲食が消えていったり、やたらとビルを建て替えが進んでしまったりということがあるわけで。

いずれにせよショールーミングが進めば、いやおうなくリアル店舗は楽しい体験や意外な出会いをつくるように工夫するだろうし、いろんなプレーヤーがコラボって楽しい空間をつくっていくんじゃないかとか、表参道の道沿いにもカフェなんかがもっと戻ってくるんじゃないかとか、思います。なんか、WEARの読み取り機能に積極的に乗っていたパルコは、やっぱり堤清二さんの文化的なマインドが残っているのかなと思ったりもします。

あるいは例えばECのシェアが伸びて資金力が高まっていくと、ECのウィナーたちが自らある種のショールーム空間をつくり始めるのかも。それはそれでおもしろいかもしれない。
いずれにせよこのあたりの話は、不動産企画でも建築やストリートのデザインにおいても無縁ではなくなってきたようですな。



third wave

April 14th, 2014

珈琲屋の世界もサードウェーブ系というやつがだいぶ本格的に増えているようで、パリからも有名なのが来たようだし、最近東京出店を決めた西海岸系のブルーボトルなんかは数十億の投資を受けてると聞く。ちょっと前まではマイナーな個人たちの世界だったのに・・なんとも早い。

そうなってくるとドトールなんかもサードウェーブ風味の業態つくったりするんだろうし、不動産ディベロッパーはすぐ新しいプレーヤーたちをテナントに入れようとしたりして、スタバも今までのように強い立場じゃなくなったりするんだろうか。

そういう風に、新しい価値観や文化を持ったプレーヤーが現れて支持されて、マーケットの分解や変化が起こって行くのはいいことだ。他のリテールでも、あるいはリノベーションとかリフォームの世界も、きっとそういうことが起こっていく。エネルギーの世界だってそうかもしれない。でかいものたちが人間味をなくした頃に、新しい小さなものたちが力を持っていく。そして、ベンチャーが成長するのはわくわくするけど、ただつまらない巨大化するだけのビジネスなんてウンコだ。大きくなるなら大きい者ならではの革新がないと意味がない。

より動物的感覚としてしっくりくるものが支持されていくということはあちこちで起こっていくはずだし、そこに生じるチャンスは興味深い。質とか価値観とかスタイルというのは論理的な積み上げではない。ロジックからは生まれない価値や、大儲けするために編み出したわけじゃないグッドアイディアたちが、結果的に市場で認められていくのは嬉しいものだ。なんとなく最近、人間的なクリエイティビティが一昔前よりも経済とたくましく共生する世界に近づいているような気が、確信的にしている。



快楽Risktake

April 13th, 2014

今年は目黒川が宴会花見禁止になっていた。意見の分かれるとこなんだろうが、僕は宴会はできるべきだと思っている。

花見は歩いてしたい、という人の方が宴会派よりずっと多いということなら仕方ない。だけど、マナーの悪いやつがいるから、文句が出るから、とりあえず禁止する、という単純な構造は全く納得いかない。なんか、とりあえずまじめ側の意見を正とし、やんちゃ側の考え方はあくまで問題ない範囲で許す、という日本ぽさが嫌い。

さらに言えば、それってただの怠慢じゃん、と思える。「歩行者が迷惑しています」と言っているけれど、それってつまりマナーを改善すればいいはずってことじゃないのか。ならばせめて、今年だけ禁止にすればいい。「マナーが悪すぎたから今年はできない」となったら僕らはそれなりに反省し、翌年はマナーの悪い奴に注意もするだろう。

これはレバ刺し問題を思い出させる話だ。リスクリターンをバランスで捉えない社会のツマラナさ。危ない可能性があれば禁止する。川に落ちる子供がいたらまずいから、浅い川全部に手すりをつける。気をつけなくていいように、判断が要らないように、なっていく。

考えずに責任を避ける人や、豊かさとリスクのトレードオフを理解しない人々は、本来得られるはずの豊かさを妨げる。リスクテイクとはチャレンジであり、ある意味では夢と希望と勇気ではないのかと思う次第。



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